採用サイトを月額制で作る|中小企業の費用相場と応募が増える運用の作り方

採用サイトを作りたいけれど、いきなり100万円は出せない。そんな中小企業の経営者の方から、よくご相談をいただきます。調べてみると「月額9,800円」のような料金も出てきて、100万円との差に戸惑ってしまう。実はこの2つ、比べているものが違います。採用サイトの「月額」には、まったく別の3つの意味が混ざっているからです。この記事では、その中身を分解したうえで、中小企業が月額制を選ぶべきケースと、選ばないほうがいいケースをお伝えします。
この記事の要点
- 採用サイトの「月額」は、制作費の分割・求人ツールの利用料・保守費という別物が混在している
- 制作会社に一括で依頼した場合の費用相場は、平均104.4万円・中央値101.1万円(Web幹事調べ)
- 月額制サービスの相場は月9,800円前後から。初期費用0円で始められるものが多い
- 応募が増えない原因の大半はデザインではなく、募集要項が古いまま放置されていること
- 更新を自分でやる体制がない中小企業ほど、更新サポート込みの月額制が向いている
採用サイトの「月額」には何が含まれるのか?
採用サイトの月額料金は、大きく3種類に分かれます。制作費を分割して払うもの、求人管理ツールを使うもの、公開後の保守だけを払うもの。この3つは目的も金額も違います。
比較すると、次のようになります。
| 月額の種類 | 何に対する料金か | 相場の目安 | 払い終わりはあるか |
|---|---|---|---|
| サブスク型の制作費 | サイトそのものの制作と運用 | 月9,800円前後〜 | なし(利用している間ずっと) |
| 求人管理ツール・ATS | 求人の掲載・応募者管理の機能 | 無料〜月59,800円 | なし(利用している間ずっと) |
| 保守・管理費 | 公開後のサーバー管理や更新対応 | 月数百円〜数万円 | なし(サイトを持っている間) |
求人管理ツールの料金には幅があります。採用係長「採用サイトの制作費用相場(目安)」によると、engageは無料、採用係長は月額9,800円から59,800円という価格帯です(参照日: 2026年8月31日)。
注意したいのは、求人管理ツールの月額とサブスク型制作費の月額を同じものとして比べてしまうことです。前者は「求人を掲載する箱」を借りる料金で、自社ドメインの採用サイトが手に入るわけではありません。見積もりを比べるときは、まず「この月額は何に対する料金か」を確認してみてください。
なお、採用サイトに限らずホームページ全般の月額費用の考え方は、ホームページの月額費用はいくらが適正か【保守費用の相場】でも詳しく整理しています。
採用サイト制作の費用相場はいくらか?
制作会社に一括で依頼した場合の費用相場は、平均104.4万円・中央値101.1万円です。ページ数とコンテンツの作り込み具合で、10万円以下から150万円以上まで大きく変わります。
Web幹事「採用サイトの費用と料金相場を徹底解説」が示す価格帯別の目安は、次のとおりです(参照日: 2026年8月31日)。
| 予算帯 | 内容 | 制作期間の目安 |
|---|---|---|
| 無料〜10万円以下 | テンプレート利用 | 1週間〜1ヶ月 |
| 10〜50万円 | オリジナルデザイン | 2週間〜1.5ヶ月 |
| 50〜150万円 | コンテンツを充実させた構成 | 1〜2ヶ月 |
| 150万円以上 | 採用戦略の立案から | 2〜4ヶ月 |
一方、月額制のサービスはまったく別の価格帯です。採用サイト工房「採用サイトの費用相場」は、初期費用0円・月額9,800円のスタンダードプランと、月額15,800円のプレミアムプランを公開しています(参照日: 2026年8月31日)。同社は大手制作会社の相場を初期費用50〜150万円・年間コスト10〜30万円としており、月額制との差はここに表れます。
弊社Webloomのサブスク型ホームページ制作も、制作費0円・月額9,900円〜という料金体系です。採用サイトもこの枠組みで制作しています。
金額だけを並べると月額制が圧倒的に安く見えますが、一括制作が高すぎるという話ではありません。制作費を最初にまとめて払うか、使う期間に分けて払うかという支払い方の違いが大きく、長く運用するほど総額の差は縮まります。「制作費0円」という表現の中身は、「制作費0円」ホームページのからくりとは?で説明しています。
月額制と一括制作、どちらが中小企業に向くのか?
判断の軸は予算の総額ではありません。「公開したあと、誰が更新するのか」です。社内に更新できる人がいなければ、更新サポートが込みの月額制が現実的な選択肢になります。
| 比較項目 | 月額制(サブスク型) | 一括制作 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円のサービスが多い | 30〜150万円が中心 |
| 毎月の支払い | 9,800円前後〜 | 保守契約分のみ |
| 更新作業 | 月額に含まれることが多い | 都度見積もり、または自社対応 |
| デザインの自由度 | 中(枠組みの中で調整) | 高(ゼロから設計可能) |
| 向いている規模 | 採用担当が兼務の中小企業 | 採用に専任者を置ける企業 |
中小企業の場合、採用担当者が総務や経理を兼務しているケースがほとんどです。募集職種が変わるたびに制作会社へ見積もりを取り、数万円を払って修正を待つ。この手間が積み重なると、更新そのものをやめてしまいます。月額制の価値は、料金の安さよりも「気軽に直せること」にあります。
なぜ採用サイトを作っても応募が増えないのか?
応募が増えない最大の原因は、デザインの質ではなく情報の鮮度です。募集要項が1年前のまま、給与が現在と違う、募集を終えた職種が残っている。求職者はこの状態を見て「この会社は動いていない」と判断します。
人手不足は続いています。帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」によると、正社員が不足していると回答した企業は51.3%でした(全国22,350社を対象、有効回答10,518社、回答率47.1%/参照日: 2026年8月31日)。業種別では金融が67.1%、建設が66.0%、運輸・倉庫が65.6%と高い水準です。
求職者は複数の会社を同時に比較しています。その比較の場で、情報が古いサイトは選ばれません。100万円かけたサイトでも更新が止まれば効果は落ち、月額1万円のサイトでも更新され続けていれば戦えます。応募数を決めるのは制作費ではなく、公開後の運用です。
応募が増える採用サイトに必要な4つのコンテンツ
求職者が知りたいことは、そう多くありません。次の4つが具体的に書かれているかどうかで、応募のハードルは変わります。
- 1日の仕事の流れ: 始業から終業までを時系列で書く。「風通しの良い職場です」より情報量があります
- 給与と昇給の実際: 幅で示すだけでなく、何年目でどのくらいかを添える。ここが曖昧なサイトは避けられます
- 働いている人の顔と声: 立派なインタビューでなくて構いません。スマートフォンで撮った写真と3行のコメントでも効果があります
- 応募後の流れと期間: 書類選考から内定までの日数を書く。転職活動中の人は、この見通しを重視します
どれも高額を払わなければ作れないものではなく、社内にある情報を言語化するだけです。むしろ外注しにくい部分なので、自社で書き替えられる作りにしておくことが大切になります。
月額制の採用サイトが向く人・向かない人
同じ会社でも状況によって答えは変わります。判断のポイントを整理します。
月額制が向いている企業
- 従業員50名以下で、採用担当者が他業務と兼務している
- 初期投資を抑えて、まず採用サイトを持つことを優先したい
- 募集職種が年に数回変わるため、こまめに更新したい
- 求人媒体への出稿費が毎月かかっており、自社サイトへ切り替えたい
月額制が向かない企業
- 新卒採用で年間数十名を採用し、ブランディング用の映像や特設サイトが必要
- 独自の応募者管理システムと連携させたい
- 社内にWeb担当者がいて、更新も改修も自社で完結できる
- 5年以上使う前提で、総額を最小化したい
年間数十名を継続的に採用する規模なら、戦略立案から入る一括制作のほうが投資対効果は高くなります。ここは正直にお伝えしておきます。月額制は「採用サイトを持ちたいが、専任者を置くほどではない」という中小企業のための選択肢です。
よくある質問
Q. 月額制の採用サイトは、解約したらサイトはどうなりますか?
サービスによって扱いが大きく異なります。解約と同時に公開停止となり、データも引き継げないものがある一方、WordPressなどで制作して解約後にデータを引き渡す方式もあります。契約前に「解約時にサイトのデータを持ち出せるか」「ドメインの所有者は誰か」の2点を必ず確認してください。この2つが押さえられていれば、乗り換えの自由度は保たれます。
Q. 求人媒体に出しているので、採用サイトは不要では?
役割が違います。媒体は「見つけてもらう」場所、採用サイトは「応募を決める」場所です。求職者は媒体で興味を持ったあと、社名で検索して会社の情報を確認します。このとき自社サイトに採用情報がなければ、判断材料がないまま離脱してしまいます。媒体の効果を上げるという意味でも、採用サイトは補完的に機能します。
Q. 採用サイトは何ページくらい必要ですか?
最初は5ページ前後で十分です。トップ、募集要項、仕事内容、社員紹介、応募フォームという構成が基本形になります。Web幹事の相場データでも10ページ前後で10〜50万円という価格帯が示されており、ページ数を増やすほど費用は上がります。まず小さく公開し、応募状況を見ながらコンテンツを足していくほうが、費用も労力も無駄になりません。
Q. 写真を用意できないのですが、採用サイトは作れますか?
作れますが、応募数には影響します。求職者が最も見るのは「どんな人が働いているか」だからです。プロのカメラマンは必須ではありません。スマートフォンで撮った職場の様子や作業風景でも十分伝わります。素材ゼロで始めて、あとから差し替えられる作りにしておくのが現実的です。
Q. 採用サイトを作れば、すぐに応募は来ますか?
公開直後に検索から応募が来ることは、ほとんどありません。検索エンジンに評価されるまでには数ヶ月かかります。ただし、求人媒体や求人検索エンジンからの流入は公開直後から発生します。短期は媒体との併用、中長期は自社サイトの検索流入という二段構えで考えると、期待値のずれが起きにくくなります。
採用サイトも「作って終わり」にしないために
採用サイトの費用を考えるとき、多くの会社が制作費だけを比べます。しかし応募数を左右するのは、公開後に更新し続けられるかどうかです。制作費が100万円でも更新が止まれば効果は落ち、月額1万円でも情報が新しければ求職者に選ばれます。
Webloomでは、制作費0円・月額9,900円〜のサブスク型で、採用サイトの制作から公開後の更新まで一緒に進めています。藤沢・湘南エリアを中心に、全国の中小企業さまへ対応しています。「まず何から手をつけるべきか」の段階でも構いませんので、お問い合わせからお気軽にご相談ください。
出典
- Web幹事「採用サイトの費用と料金相場を徹底解説【相場早見表・事例あり】」(参照日: 2026年8月31日)
- 採用係長「採用サイトの制作費用相場(目安)|早見表・内訳・見積りポイントまで」(参照日: 2026年8月31日)
- 採用サイト工房「採用サイトの費用相場|月額9,800円〜の採用サイト工房と大手を比較」(参照日: 2026年8月31日)
- 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(参照日: 2026年8月31日)
執筆: 株式会社Webloom 編集部(神奈川県藤沢市/サブスク型ホームページ制作・システム開発) 公開日: 2026年9月1日
