持続化補助金でホームページ制作|ウェブ費上限30万円の新ルールと申請の流れ

「ホームページを作りたいけれど、その費用に補助金は使えるのだろうか」。中小企業や個人事業主の方から、いちばんよく聞かれる質問のひとつです。答えは「使えます」。ただし2026年に入って、ウェブサイト関連費のルールが静かに、しかし大きく変わりました。ネット上の解説記事の多くが、変更前の情報のまま残っています。この記事では、第20回公募の公募要領という一次情報をもとに、いま本当に使える条件と金額を整理します。
この記事の要点
- ホームページ制作費は「ウェブサイト関連費」として補助対象になるが、この経費だけでの申請はできない
- ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)。以前の「補助金総額の1/4(最大50万円)」という説明は第20回では当てはまらない
- 補助率は2/3なので、30万円を満額受け取るには45万円分の対象経費が必要になる
- ホームページを50万円(税抜き)以上で作成・更新すると「処分制限財産」に該当し、原則5年間は自由に処分できない
- 第20回の申請受付は2026年11月5日から12月15日17時まで。事業支援計画書の発行依頼はその前の12月4日で締め切られる
持続化補助金はホームページ制作に使えますか?
使えます。小規模事業者持続化補助金には「ウェブサイト関連費」という経費区分があり、販路開拓のためのウェブサイトやECサイト、システムの開発・構築・更新・改修・運用にかかる費用が対象です。
ただし、ひとつだけ絶対に外せない条件があります。公募要領には「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」と明記されています。つまり「ホームページを作るためだけ」の申請は通りません。チラシやパンフレットの作成(広報費)、展示会への出展(展示会等出展費)など、ほかの販路開拓の取り組みとセットで計画を立てる必要があります。ホームページ制作の見積書だけを持って商工会・商工会議所に相談に行くと、その場で組み立て直しになることがあります。
ウェブサイト関連費の上限はいくらですか?
第20回公募では、ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。公募要領には「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です」と一行で書かれています。
注意していただきたいのは、ここが変わった点だということです。以前は「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」という割合ルールでした。いま「持続化補助金 ホームページ」で検索すると、上位の解説記事の多くがこの1/4ルールのまま残っています。補助金の専門メディアでも古い説明が見つかりました。単に更新が追いついていないのだと思います。
この変更は一長一短です。割合の縛りが消えたので、補助金額が小さい計画でもウェブ費を計上しやすくなりました。一方で、上限そのものは50万円から30万円に下がっています。
| 項目 | 第20回公募の内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限額 | 50万円 |
| インボイス特例 | 50万円上乗せ |
| 賃金引上げ特例 | 150万円上乗せ |
| 両特例を満たす場合 | 200万円上乗せ |
| ウェブサイト関連費の上限 | 30万円(税込) |
特例で全体の補助上限が上がっても、ウェブサイト関連費の30万円という枠は変わりません。ここは切り分けて考えてください。
30万円を満額受け取るには、いくら払えばいいですか?
補助率は2/3なので、45万円の対象経費で30万円の補助金が上限に達します。逆算するとこうなります。
| ホームページ制作費(対象経費) | 補助額(2/3) | 自己負担 |
|---|---|---|
| 15万円 | 10万円 | 5万円 |
| 30万円 | 20万円 | 10万円 |
| 45万円 | 30万円(上限到達) | 15万円 |
| 60万円 | 30万円(上限のため頭打ち) | 30万円 |
45万円を超えて発注しても、受け取れる補助金は30万円のままです。60万円のサイトなら、超過分の15万円はまるごと自己負担になります。
課税事業者の方はもう一点。公募要領には「交付申請書の記入にあたっては、消費税等仕入控除税額を減額して申請しなければなりません」とあります。消費税および地方消費税相当額をあらかじめ補助対象経費から差し引くため、税込金額のまま計算すると見込みがずれます。
申請できるのはどんな事業者ですか?
業種ごとに、常時使用する従業員の数で判断されます。公募要領に定められた線引きは次のとおりです。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
会社役員や同居の親族従業員は、この人数には含まれません。日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者も含まれません。飲食店や小売店なら5人以下、製造業なら20人以下、という感覚で見ておくとよいと思います。
なお、医師・歯科医師・助産師は補助対象になりません。
第20回のスケジュールはどうなっていますか?
日程で最大の落とし穴は、申請の締切より前に「事業支援計画書」の締切が来ることです。
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年5月27日 |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日 |
| 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 | 2026年12月4日 |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日 17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃(予定) |
| 事業実施期限 | 2028年3月31日 |
事業支援計画書は、地域の商工会・商工会議所に発行してもらう書類です。公募要領には「受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできません」と書かれています。ここを逃すと、その回はどうやっても申請できません。
申請は電子申請システムのみで、郵送は受け付けていません。電子申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要で、取得には日数がかかります。書類を作り始める前に手続きしておいてください。
ホームページ制作で見落とされがちな注意点は何ですか?
金額の大きい発注ほど、後から効いてくるルールがあります。制作会社を決める前に確認しておきたいのは次の3点です。
- 50万円(税抜き)以上は「処分制限財産」になる:この金額以上でウェブサイトやシステムを作成・更新すると、補助金の支払いを受けた後も一定期間(通常は取得日から5年間)、処分が制限されます。処分には事務局の承認が必要で、無断で処分すると交付取消・返還命令の対象です。ただし事業目的に必要な改良や機能強化は「処分」に当たりません。
- 1件50万円超(税込)の発注は相見積が必要:発注総額が1件あたり50万円を超える場合、2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選ぶ必要があります。見積は補助事業者自身が別々の企業から取得します。
- 期間内に運用が始まらないサイトは対象外:公募要領は「補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ」を対象外と明記しています。作りかけのまま期限を迎えると補助金は出ません。
このほか、ウェブサイトのコンサルティング・アドバイス費用、既に導入しているソフトウェアの更新料も対象外です。「効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策」は対象になります。
月額制のホームページは補助金と相性がいいですか?
ここは正直にお伝えします。月額制(サブスク型)のホームページ制作と持続化補助金は、そこまで相性がよくありません。
理由はシンプルで、補助金は「補助事業期間内に実際に支払った経費」に対して出るからです。制作費0円・月額課金のモデルだと、期間内の支払額そのものが小さく、補助率2/3をかけても受け取れる金額は限られます。公募要領にも、契約期間が補助事業期間を越えるソフトウェア使用権は按分などの方式で算出された補助事業期間分のみが対象、と書かれています。
では、どちらを選ぶべきか。判断の軸は「採択されるかどうか」ではなく「採択されなかった場合にどうするか」だと思っています。補助金は申請すれば必ず通るものではありません。採択発表は2027年3月頃の予定で、申請から半年近く先です。その間ホームページがないまま待てるのか。不採択だったら45万円を自己負担で出せるのか。この2つに「はい」と答えられるなら、一括制作+補助金申請は合理的です。
逆に「いま集客を止めたくない」「まとまった初期費用は正直きつい」なら、月額制で先に立ち上げるほうが現実的です。当社が制作費0円・月額9,900円〜のサブスク型を提供しているのも、補助金の採択を待てる会社ばかりではないからです。費用構造の違いはホームページの月額費用はいくらが適正か【保守費用の相場】で、「制作費0円」の仕組みは「制作費0円」ホームページのからくりとは?仕組みと注意点を解説で整理しています。
なお、月額制と補助金は排他ではありません。ホームページは月額制で先に立ち上げ、補助金はチラシ制作や展示会出展といったほかの販路開拓に充てる組み立て方もできます。
月額制で先に立ち上げる場合は、契約前の確認が欠かせません。最低契約期間と解約金、ドメインとデータの所有権、月額に含まれるサポート範囲は、会社ごとに差が出るところです。確認すべき項目はホームページ制作「初期費用0円」は危険?“怪しい無料”と“賢いサブスク”の違いのチェックリストにまとめています。
この補助金でのホームページ制作は誰に向いていますか?
向いている人
- 45万円前後の制作費を、採択前にいったん自己負担で立て替えられる
- ホームページ以外にも販路開拓の取り組み(チラシ、展示会など)を予定している
- 事業計画書を書く時間、または商工会・商工会議所に相談する時間を確保できる
向いていない人
- 数か月以内にホームページを立ち上げて集客を始めたい
- ホームページ制作だけを補助対象にしたい(この時点で申請要件を満たしません)
- 立て替え払いの資金繰りが厳しい、または従業員数が業種の基準を超えている
よくある質問
Q. 補助金は先にもらえますか?
いいえ。持続化補助金は精算払いです。事業者がいったん全額を支払い、実績報告を経てから補助金が振り込まれます。制作費45万円なら、その全額をまず自分で払う必要があります。申請前にいちばん確認すべきは、この資金繰りです。
Q. ウェブサイト関連費の上限は本当に30万円ですか?1/4だと書いてある記事を見ました。
第20回公募の公募要領には「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です」と記載されています。「補助金総額の1/4(最大50万円)」という説明は過去の回の内容で、更新されていない解説記事に残っているものです。金額の判断は、必ず最新の公募要領で確認してください。
Q. 既存のホームページのリニューアルにも使えますか?
使えます。ウェブサイト関連費は「開発、構築、更新、改修、運用」が対象なので、リニューアルも含まれます。ただし50万円(税抜き)以上になる場合は処分制限財産の対象になる点、既に導入しているソフトウェアの更新料は対象外である点に注意してください。
Q. 補助上限が50万円なのに、ウェブ費が30万円までなのはなぜですか?
補助上限50万円は申請全体の枠、30万円はウェブサイト関連費という経費区分だけの枠です。インボイス特例や賃金引上げ特例で全体の上限が上乗せされても、ウェブサイト関連費の30万円は変わりません。
まとめ:まず確認すべきは「立て替えられるか」と「ほかの取り組みがあるか」
持続化補助金はホームページ制作に使えます。ただし、ウェブサイト関連費だけでは申請できず、上限は30万円(税込)、補助率2/3で45万円の支出が満額ラインです。そして補助金は後払いなので、いったんは全額を自分で払うことになります。この3つを踏まえて計画が組めるなら、申請する価値は十分にあります。
Webloomでは、制作費0円・月額9,900円〜のサブスク型ホームページ制作を提供しています。補助金を使うべきか、月額制で先に始めるべきか。そこから一緒に整理しますので、お問い合わせからお気軽にご相談ください。神奈川県藤沢市を拠点に、全国対応しています。
出典
- 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>公募要領(第8版・第20回)」(参照日: 2026-09-07)
- 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 公式サイト(参照日: 2026-09-07)
- 中小企業庁「『小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)』の公募要領を公開しました」(参照日: 2026-09-07)
- GビズID 公式サイト(参照日: 2026-09-07)
※本記事は2026年9月7日時点の第20回公募要領(第8版)に基づいています。公募要領は改訂されることがあるため、申請前に必ず最新版と地域の商工会・商工会議所でご確認ください。制度の個別判断については、管轄の商工会・商工会議所または専門家にご相談ください。
